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未来はどこから来ている?

山本です。

大事な人を亡くしてしまいました。
涙が溢れて止まりませんでした。
中途半端な恩返しかできませんでした。
感謝の気持ちが絶えません。

私事で恐縮です。
7/4に義父が他界しました。
享年67才。

親父を9年前になくしました。
その後、ご存知の通り、たった2年で倒産・夜逃げ・・・。

普通そんな時、嫁の父親だったらどういうだろうか?
自分の娘を巻き込こまされ、なおかつ義父には多額の援助を受け、
その上、連帯保証人にさせ、倒産によって債務を押し付けるようになってしまった。
それも中途半端な額ではありません。
お借りした現金だって、何千万・・・。保証債務をあわせると、
義父の老後の楽しみすべてを奪ってしまうような額に上ります。
義父は顔色一つ変えず、保証人によって発生した、債務を支払ってくれました。

通常そんな時娘の父親としてどういうだろうか?
私だったら・・・。
「債務については一切返してもらわなくていい。それは保証人になった自己責任だから。
しかし、娘と孫をお前のような男に預けるわけには行かない。今後一切面を見せるな!!」
だろう。

しかし、義父はこういった。
「人生を選ぶのは自分自身だ。娘が選ぶ人生だ。娘がお前を信じるならば、
そういう娘を信じる事が親だ。すべては娘に任せる。」

そして、家内は私についてきてくれた。
その後、奇跡的に復活を遂げた私は、義父にこういった。
「なんとか、お金を返せるようになりました。本当にありがとうございました。
お金を返させてください。」

思いがけない義父の返事が返ってきた。
「何を考えている?何をやっている?どんな商売をすれば、あんな大金を返せるんだ。
たとえ、それが返せても、それは一時的なものだろう。あのお金は、自分の責任範囲内で
お前に差し出したものとしてあきらめている。もちろんこれ以上は、私の生活もあるので
出す事はできない。しかし、返してもらおうとは思わない。」
続けて、
「家族の生活の安定だけを考えなさい。もし、少しでも返す気持ちがあるのなら、
毎月5万円だけ振り込みなさい。5万円は返済とは考えない。振込みがあれば、
きちんと生活している証だと思うから。」

すごいと思う。
そんな両親に育てられた娘だからこそ、ジェットコースターのような、
私の人生に付き合ってくれていると思う。
身内自慢のようで恐縮です。

きっと、義父も義父の両親からそんな教育を受けた事だろう。
そして、その両親もまたその両親も・・・。

私はどんな未来を伝える事ができるだろうか?
脈々と静かだけれど、奥深い”生き様”を伝える事ができるだろうか?

教育は勉強だけではない。
血を伝えて行く事だ。
殺伐とした世の中で親が子を殺す時代だ。子が親を憎む時代だ。

今私は生きている。皆さんも生きている。

自分に正直に生きて行こう。
自分に嘘があってはいけない。
自分が今あるのは脈々と受け継がれたものだ。
自分が生きた証は、脈々と受け継がれる”魂”だ。

大事な義父が亡くなった。
悲しすぎるという言葉だけでは表現できない。
義父の遺影が笑っていた。
親父の遺影も微笑みかけてくれる。
悲しいけれど、辛いけれど、自分たちは生きていかなければならない。
明日になれば、通常の生活に戻らなければならない。
でも、忘れてはならないことがある。
忘れられない事もある。

父の死に顔が笑っていた。
満足な人生だったと笑っていた。

私も人生に終焉を迎えるとき、笑っていたいものだと心から念じている。

合掌。

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» こんな、すごい人生もあるんです。 from 社長の独り言
 少し前にコメントをもらった人のご紹介。。それは、、和幸建装リフォームの山本猛司社長です。 まず、山本社長は、、社長と言っても、社員はいません。そう、たった一人... [詳しくはこちら]

コメント

自分が生きた証は、脈々と受け継がれる”魂”だ。

このお言葉にとても感動致しました。

山本さん こんばんは。
はじめてコメントさせてもらいます。

今日は深い。深すぎる。
なんとすばらしい義父様なのでしょう。そして奥様も。
私もこのような父親になれるのか?わが子を信じるとは
こういうことなのですね。
深いです。

お義父様のご冥福をこころよりお祈り申し上げます。

watanabe

大阪の舘本です。
山本さん、お義父さまのご冥福心よりお祈り申し上げます。
びっくりしました。

私も、以前に山本さんから、お義父さまのお話を伺っていましたので、このブログを読んだときは噛みしめながら、まさか?という気持ちで読みました。

私も家内と家内の義父、義母にはとんでもなく、お世話になりました。今も元気ですが、山本さんのお話、失礼ながら自分にダブらせてしまうと、涙が出ます。

大阪からお義父さまのご冥福を心よりお祈りすると共に、山本さんのお義父さまからお教えいただいた事を深く心に留め、頑張ります。感謝いたします。

奥様にもよろしくお伝えくださいませ。

ありがとうございます。 

合掌

感動しました。
商売をしていますと身につまされますね。
胸にじんときます。生き様の指針として、このブログを
受け止めたい,良き人生をつくりたいと思います。

お義父さまのご冥福心よりお祈り申し上げます。研修中に色々とお話を聞かせて頂いておりましたので、他人事ではないように感じ残念な気持ちです。
何回もこのブログを読み返しました。私も自分の生きた証を堂々と残せるよう、これから日々精進していきたいと思っております。
それでは奥様にもよろしくお伝え下さい。
失礼します。

山本社長、おはようございます。

いつも考えさせられるブログですが、今回はまた一段と深いです。

お義父さまは、なんて大きな方なのでしょう。
わが子を心から愛し、しっかりと見つめ続けている。
いろいろな思いもあると思います。
けれどただ一点、
わが子を愛し、信じている気持ちがヒシヒシと伝わってきます。

私はわが子に対してここまで出来るのだろうか?
ここまでわが子を信じることが出来るのだろうか?

>娘と孫をお前のような男に預けるわけには行かない。今後一切面を見せるな!!
というのも、親のわが子への愛情に他ならないと思います。
どちらが正しいということもないと思います。

私が今生きていられることを、もう一度よく考えて
子供にはしっかりと自分の生き様を見せて行けるように、
今日からまた頑張ります。

いつも勇気を与えていただきありがとうございます。


お義父さまのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

合掌

勇気をもらえました。

最近失うことに恐怖を感じていました。

私にも、同じような歳の父がいます。
年老いたという風ではないのですが、
今になって、父の生き様を聞きたいと思うほど、
永く元気でいて欲しいと思うようになりました。

人はいつかはこの世を去ります。
そうわかっていても、失うことの恐怖はなくなりませんでした。

父から血で受け継いだのだから、
それを血で伝えていくことで、
永遠に失うことはなくなるのかも知れない。

山本さんの文章を読みながら、
そう、感じました。

少し、勇気をもらえました。
有難うございました。


お義父さまのご冥福心よりお祈り申し上げます。


笑っている山本さんに、また、会いたいです。

 山本様、お義父様のご冥福心よりご申し上げます。
山本様にとって一番の理解者である方を亡くされ、さぞお力を落とされているかと思いますが、なくなる前に成功された姿を見せることが出来たのは何よりの恩返しではないでしょうか。きっとお義父も安心しておられたのではないでしょうか。 
奥様にも一日でも早くお元気になって頂きたいと思います。よろしくお伝え下さい。

 ご冥福を心より申し上げます。
 ブログより
 ’精一杯生きて生きていくのが人が生まれてきた使命なのかも知れません・・私もまたお世話になります、来月は宜しくお願いします。
 雨は大丈夫ですか?

山本さんのご発展と
お義父様のご冥福をこころよりお祈り申し上げます。

山本さんのリフォーム業に対する思いも様子も伝わってくるようでした。

埼玉 青木

山本様、奥様のご尊父様がなくなられましたこと、衷心よりお悔やみもうしあげます。
ブログ、深い感銘とともに拝読いたしましたが、言葉にすれば軽く上滑りなものになるような気がして、何も申しあげることができません。
只、お悔やみの気持ちをお伝えしたく書き込まして戴きました。

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