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申し訳ありませんではなくてありがとう。

山本です。

クレームの電話が鳴り続ける。
あんなに信頼関係があったのにと思うくらい、
何であの人がと感じるくらいに、
まるで親の敵とばかりに、電話口で怒りをぶつける。
なまじ、信頼関係があるほうが、クレームに発展するとややこしい。

電話口では、とにかく謝り続ける。ただひたすら、
「申し訳ありません。」「どのようにすればよろしいでしょうか?」
あるいは、あせるばかりに事態の収拾をしようとする。

事態の収拾をしようとすると、「誠意が足りない。」なんて言われる始末。
いったいどうすればいいんだーとなってしまう。

前回からお話している通り、契約時にお願いをする。
そして、機会がある度に少しの不安要素や不満要素がないか確認していく。
それがクレームへの唯一の事前対策かもしれない。

ここまでしていると大きなクレームはあまり起きることはない。
しかし、それでも予期せぬクレームは起きうるものである。
ある意味し方のないものだと思う。人間なんだから。

少し予断になりますが、クレームや問題が起こったときは、
いつも私はこう思うことにしてます。
これは私に何かを気づかせてくれるシグナルだ。
いったい何を私に与えてくれようとしているのか?
新しいステージへ進むギフトだ。と。

そうすると気分が楽になり、自分の思考回路が働き始める。
これはきわめて重要なこと。

しかし、今は目の前の問題を解決しなければならない。

まずは相手の言うことをすべて聞こう。
怒りのすべてを聞いてあげよう。
問題点はどこにあるのか聞いてあげよう。
済みませんということは自分の非を認めることだ。
もちろん自分に非があれば、謝ればいい。
しかし、この時点では相手が怒っているだけで、問題の起因は分からない。
ましてや事態の収拾なんて、もっての他だ。

一通り相手が話してくれた後、この一言を言えばいい。
「さぞかしお電話することもつらかったことでしょう。
そのお気持ち察しいたします。勇気を持っておっしゃってくださってありがとうございます。
決して解決できない問題はありません。電話で解決するのではなく、直接お話をしたいのですが、
よろしいでしょうか?私の都合は○○ですがねいかがですか?」

お伺いした後に、いきなり事態の収拾をしてはだめ。
電話で聞いただけでは相手の怒りはまだおさまってないからだ。
考えてみればすぐ分かる。
何より大切なのは、相手が何について起こっているのかつかむこと。
そして何より大切なのは相手の怒りの解放だ。

皆さんも今までご経験があると思いますが、
人間って不思議なもので、どんなに起こっていても、すべての怒りを放出してしまうと、
案外気持ちがすっきりして、話し合いに応じるものだ。
この怒りの開放を中途半端なままするものだから、
火に油を注ぐものになってしまう。

怒りの開放が終わると、
「ほかにございませんかどんな小さなことでも結構ですよ。
すべてはあなたのために時間がありますので、おっしゃってください。」
と念を押す。

それがすべてであれば、
「正直におっしゃっていただいてありがとうございます。
大変貴重なご意見です。これは弊社が今後発展するのに、
役に立つと思います。しかし、このままだと、その犠牲にあなたがなってしまう。
それでは、先ほどの件ですが、○○と○○の件でございますね。
それを解決するにはどのようにいたしましょうか?ご一緒に考えていただけますか?
私どものほうでも考えてまいりますので、解決するための打ち合わせを何時させていただきましょうか?」

このようにいったん時間を置くことによって、お客様も気持ちの整理ができる。
もちろん、すべてやり直すというくらいの気持ちは大切だ。
しかし、怒りの開放をすると、そこまで要求する人はほとんどいない。

また、事前のお願い。小さな芽をいつも摘んでいれば、理解しあえる。
それと、もうお忘れかもしれませんが、「スーパーセールスマンへの道」でも
お話したように、選ばれたお客様です。
ウィン・ウィンの関係です。無理難題を言うわけはありません。

いかがでしょうか?

少しはお役に立ったでしょうか?

ご意見などお待ちしています。
次回はチーム作りについてお話したいと思っています。

コメント

とても理に適った方法ですね。
まず怒りや不満を徹底的にあぶりだし、時間をおいた上で解決策を考えていく。
また、この問題がなぜ起こったのか、どんな意味があるのか考える事によって成長できる。
これを繰り返せば自ずと仕事の精度は高まります。
クレームに限らず、すべての問題に正面から取り組む事がとても重要なことなのですね

いつもすばらしい内容のブログをありがとうございます。

クレーム処理はつらいですが、避けて通れる訳ではないのでいつも気合を入れてのぞみます。
先日は工事をしているお隣の方からのクレームでした。
行ってみて「まずこれを見て下さい」と言われて、私はただただ「申し訳ございません」としか言えませんでした。
このときは、情けないくらい一方的にこちらが悪かったので仕方ありませんでした。
そして現場監督と、今後の対応を話し合ったのですが、
それ以外の面でもいろいろと約束事を決める機会を得たことはプラスになりました。

今回のブログをしっかり落とし込んで、これからクレームがあったときにきっちり対処できるように頑張ります。

いったん時間を置いてクールダウンするとは考えたことがありませんでした。
懸案をかかえたままにするのは厭なのでつい処理を焦ってしまいます。
考えてみるとこちらも頭をクールダウンする必要があるように思います。

次回からのチーム作りのブログ期待しています。

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