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転ばぬ先の杖。お客様を教育する?

山本です。

どんな業界にもクレームは付物。
烈火のごとくお叱りの電話がなり続ける。
時として、電話の音にさえおびえることもある。

私の業界はリフォーム産業=クレーム産業といわれている。
商品がお客様にとって契約時には目に見えない商品であるため、
日々がクレームとの戦いだといっても過言ではない。
クレーム処理で1日が終わってしまう日だってざらにあった。
それどころか、年単位で引きずることもある。

大事なことは前回お話したとおりのこと。
事前にクレームの芽を摘むことによって大きなクレームを避けることができる。
しかし、避けれない場合もある。
事前に小さい芽を摘んでおかないと、大きなクレームが発生したとき、
人間というのはおかしいもので、今まで気に入らなかったことをすべて持ち出してしまい、
収拾がつかなくなる。

挙句の果てにはこんなことまで言われてしまう。
「あなたを選んだ私か間違いなのね。」「値引きをするんだったら許してあげる。」

せっかくの信頼関係もすべてパー。
そんなためにも事前に小さなクレームを摘むことは超重要。

実を言うと私は契約時に、お客様にお願いをします。
契約書に印鑑をいただく直前に、
「その前にちょっと待ってください。重要なお話があります。」
この印鑑を押す直前が効くんですね。それだけインパクトがあります。

「私どもの仕事はクレーム産業といわれています。
時間をかけて、追加工事のいらない、満足いくプランで、ここまでまいりました。
しかし、電化製品ではありませんので、これから職人・私・そしてお客様が
一緒になって作っていくものです。
その過程において、これはちょっと違うんじゃないか?ここは何とかならないか?
あるいは、あの職人の態度が・・・とか様様な気に入らない点・気づく点が
出てくると思います。それは仕方のないことです。
お願いしたいのはそれらすべてを、小さなことでも結構です。おっしゃっていただきたいのです。
我慢しないでいただきたいのです。
人間は小さなことはしょうがないか。プロに任せているのだから。と我慢してしまいがちです。
しかし、それを我慢して本当に我慢できないことが起こった時、爆発してしまいます。
挙句の果てに、あの時も、そういえばあれもと、今まで我慢していたことをすべて吐き出します。
そうなったら手がつけられません。それはお互いの不幸です。
どんな小さなことでも結構です。必ずおっしゃってください。あなたがお金を使うのですから。
解決できない問題はありません。それは新しい信頼関係になります。
それから、おっしゃるときは、私に直線言ってください。職人にはなるべく言わないで下さい。
職人は今日の仕事を精一杯やることだけで頭がいっぱいです。聞いてない。とか知らん。などと
かえってお客様の不安が募ります。ですから必ず私にお申し付け下さい。」

このように契約時にお客様をある意味教育する。
このことによってお客様との信頼関係は深まり、大きなクレームが起き難くなる。

また、それでも言ってくれなかった場合、
「だからお願いしたじゃないですか。」
とも言えるのである。

いかがでしょう?

次回はそれでも起こるクレームの具体的な
対処について私なりにお伝えしたいと思います。

コメント

山本様
こんにちは お久しぶりです。
充実した夏休みを過ごされたようで、うれしく思います。
本日のお話、住宅営業の夫にも伝えたいと思いました。クレームが結構発生しますので・・・

山本先生、こんにちは。初めてコメントさせていただきます。

契約書に印をいただく直前にお客様に伝えること…。
素晴らしいです。すごいインパクトがあると思います。
早速、手帳にメモさせていただきました。
ありがとうございます。

お客様からのクレームの電話を受ける私は、いつも感じていることがありました。

お客様が意を決してかける一本の電話には、「怒り」が感じられます。
ところが、担当者が折り返し電話をしたり出向いたりすると、お客様は怒っている訳ではない。
逆に、すぐに来てくれた事に感謝してくれるとのこと。

小さな我慢を溜め込まない方がよい理由がよくわかりました。

これからは、契約の前に、そして折に触れてこの言葉を使わせていただこうと思います。
ありがとうございました。

益々のご健勝をお祈りいたします。

昨日、また新たなクレームが発生してしまいました。
ちょっとした塗装の色むらのクレームから燎原の火のように広がってしまい弊社の納入したドア全部交換、という事態になってしまいました。
下請け仕事なので元請さんがどういう対応をされたのか分かりませんが、小さなクレームの芽をつむことは本当に超超重要なことだとおもいしらされます。
気分的にも落ち込んでしまいます。後ろ向きの仕事をしなければないうえに、どうころんでもお施主様に喜んでもらうことはできないのですから・・・

お客さんも1つ気になると、すべてが気になりだします。手を抜いているんじゃないのか、材料は指定の材料か、職人は腕がいいのか、などなど....
そんな状況になる前に手を打っておく。
勉強になります。

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