« 1人の批判者と99人の信者 | メイン | どん底にいる時ほど、心は崇高になれる。 »

駄々っ子に飴は与えない。

山本です。

前回の続きです。
まず、大事なことがふたつありました。

ひとつは、自分が提供している商品・商材が本物であると言うこと。
それに対して自分が自負していると言うこと。
提供しているサービスが本物であれば、圧倒的なファンが存在する。

ふたつ目は、クレームとクレーマーは違う。
クレームは必然的に起こりうるものだし、ある意味、お客様との
新たな信頼関係の構築にもなりうる。
しかし、クレーマーは、駄々っ子と同じ。彼らの言っていることはクレームではない。
それは駄々っ子と同じでわがままだと言うこと。

今日お伝えしたいことは、起こりうるクレーマーへの対処方法について。

例え話でお話しをしたいと思います(事実のお話しですが・・・。)。
あるお客様と絶対的な信頼関係のもと、受注契約をした。
リフォーム工事でその金額は1000万に近いもの。

契約にいたるまでに細部にわたり、説明し相手も納得していた。
順調に工事も進み、工事の1/3まで終了した。
この間、事あるごとに現場に出向き、お客様の不安を打ち消してきた。

1/3が経過した頃、今まで何も言わなかったお客様がふとしたことに関して疑問を持った。
その疑問は、素人さんにありがちな疑問。通常、説明すれば納得いただけるはずだった。
しかし、お客様は納得できなかった。その理由は、
「確かにあなたはプロとして、間違いの無いことをしてくれているのだろう。
今まで信頼して任せていたし、もちろん今でも信頼している。」

「しかし、今の説明ではどうしても納得がいかない。それと、素人ながら、
満足するためにこことここはして欲しい。」

何に対する不安が出たのかと言うと、実はリフォーム工事の構造に対するもの。
お客様は地震に対する不安があり、柱・梁・筋交いなどの補強を気にしていた。
彼は一級建築士で、構造上何の問題点が無く、十分地震に耐えうる工事を施していた。
それをプロとしてお客様に説明した。

しかし、最終的にどうしても納得できないお客様は、追加工事代金を出すと言う、
約束のもと、お客様の満足するように施工をした。なぜならば工事がストップしてしまう。
そして、結論から言えば、「お客様の満足がすべて」と考えたから。

以降、お客様は現場において、いろいろと注文を付けるようになっていった。
それに対して彼は、忠実に説明し、お客様の満足のいくよう工事を進めた。

この頃からお客様の中に、彼への不安感・不信感が生まれたのかも知れない。
お客様のいうとおりに工事を進めたのにもかかわらず・・・。

最終引渡しの段階に入り、引渡しの検査において、幾度と無くチェックを入れ、
更に手直しをし、もう一度検査・・・。これを何度か繰り返したらしい。

私が彼の話を聞く限り、彼の工事に対する姿勢・施工内容・お客様への説明に落ち度は無い。
では、引渡しになったのか?

最終的には、こまごまとしたチェックが50項目以上残り、その処理が終わらない限り、
残金を払えないと言う。それもしゃれにならない金額・・・。

彼曰く、50項目以上のクレームはこれ以上どうすることもできない・・・。

なぜこんなことになってしまったのか?お客様のいうとおりにしたはずであるのに・・・。

この時点で彼がとるべき行動はひとつしかない。
それはこれ以上手をつけてはならないと言うこと。
そして、第3者に結論を委ねるということ。

「弊社としましては、プロとして十分以上のことをしております。
今この時点で私がお客様にできることはございません。
しかし、あくまでこれは私の意見です。
お客様にも正当なるご意見や私に対する批判もおありでしょう。
残念ながら、お互いの信頼関係が崩れている以上、
今この様な状態の中では、両者間の話し合いでは、円満なる解決は困難です。
それはどちらが正しいかと言うことではありません。
そこで、当社といたしましては、第3者(法定的な立場)に入ってもらわざるを得ない
と言う結論に達しました。」

正直これしかない。それこそ前回お話ししたとおりのこと。
たとえ長期戦になったとしても、まず100%お金の回収ができないことは無い。

それから、もっと大事なことがある。一番お伝えしたいことはこの部分。

それは、最初のクレームが起こったときにとるべき行動。
彼自身が提供したサービスが本物でそれに自負があったならば、
それ以上のことをしてはならない。駄々っ子に飴を与えるのと同じ事。

お金のため。お客様の満足のため。と、良かれと思った行動が、
お客様にどう映ったのか?

「なんだ、かんだと言っても、結局時分の言うとおりになったじゃないか。
と言うことは、あれほど自信を持っていたのに、非を認めたんだな。
つまり、相手が間違いを認めたんだな。」

と言うことになる。お客様の目線は信頼から不安の目線となる。

不安の目線になるからすべてチェックを入れる。
「これで本当に大丈夫か?これで本当に正しいのか?」と・・・。

お客様が不安に思うことがあれば、まずは提供するサービスを止めること。
そして、不安材料に対する説明の前に、
何に対する不安か?
そのために何を求めるのか?
それには何が必要か?
を検討する。

そして、それが単なる「わがまま」ならば、その時点であなたが説得をしてはならない。
なぜならば、あなたに不安感を持っているのだから・・・。

ではどうするか?
この時点でも第3者が必要となってくる。
客観的な立場のプロを介入させるべきだ。
第3者の意見でどちらが正しいのかを判断してもらう。
それに納得してくれるようでであれば、次のステージへあがるべき。
でなければ撤退するべきだ。

駄々っ子に飴を与えるともっと欲しいと泣き叫ぶ。
クレーマーは駄々っ子とよく似ているのかも知れない。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)