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セールスの真髄を見た。

山本です。

昨日、高知が全国の新聞のトップニュースになってしまいました。
大阪ー高知間のボンバル機の着陸事故がそれです。

午前11時くらいでしたでしょうか?
情報番組を中途打ち切って、高知龍馬空港が生中継されている。
大阪から高知に向かった飛行機の前輪が、何らかのトラブルで
降りなくなっているらしい。

これから、胴体着陸を試みるという。
飛行機は上空を2時間以上も旋回しながら、燃料をを減らし、機体を軽くし、
滑降をしていこうとしている。

もちろん胴体着陸なので、機体と地面の摩擦により、火花が生じ、
それが燃料に引火すれば、大惨事につながってしまう。
地上には、多くの消防車と救急隊が待ち構え、息を呑んで滑降を待っていた。

機長の技術は卓越していて、何とか無事に機体は止まった。
まさに、生死をかけた瞬間だった。

その中継を見ながら、私はさぞかし機内の乗客はパニックに陥り、
恐怖の時間を過ごしたことだろうと想像した。

着陸後、無事を確認し、乗客にインタビューされている。
案外と乗客は落ち着いた顔つきをしている。

そして、インタビューに答える人々が口々にしていた言葉が衝撃的だった。

確かに不安はあり、ある意味覚悟を決めざるを得なかったが、
それ以上に機長の機内アナウンスによって、励まされ、
安心感を覚えたという。

一体機長はどんな言葉で、乗客の不安を取り除き、
安心感を与えることができたのだろう?

聞くと、そういったときに機長には説明責任はあるものの
マニュアルは存在しないという。
つまり、機長のスキルによりけりだということだ。

人は自分の判らないこと。そして、不安に思うことに対して、
懐疑的になってしまう。

その懐疑的な気持ちがいっそうの不安を掻き立てる。

その不安な気持ちをすべてを知り尽くす、プロがプロとしての
説明責任を果たしてくれれば、これほど安心なことはないと思う。

ましてやプロだからこそ、そして、経験があるからこそ
その不安材料をより多く知っている。

また、その不安を打ち消す術も知っているだろう。

少し話がそれるかもしれないが、今やたら国会で、
この説明責任が取りざたされている。

大臣が何か問題や不祥事を起こしたのではないかと
疑惑に立たされたとき、彼らはその説明責任を果たそうとする。

暇があれば、国会中継やニュースで彼らの発言を聞いてもらいたい。

ほとんど自分への言い訳や、身内をかばうことばかり。
本当に知りたいと思っている人達のことを考えている発言とはお世辞にもいえない。

また、説明をしているときのあの態度。思わず、画面にコンパチを
入れたくなるのは私だけだろうか?

どこかの役人か秘書に書かせただろう書面をずっとうつむいて読んでいるだけ。
あれが国の代表、私たちの代理人かと思うと選んだ自分が情けなくなってしまう。

人間は心の動物ですね。
言葉を喋れ、心のふれあいができる動物です。

人間が人間として当たり前のことをできると、
人の心をとらえることができます。

それはビジネスでもしかり。

今回の事故はその真髄を教えられた気分です。

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