楽しんで生きる。貫いて生きる。
山本です。
ここ1〜2日のメディアのニュースは、日本ハムの44年ぶりの日本一のニュースで持ち切り。
特に新庄選手の活躍そして引退のニュースがトピックスとして飾られている。
今年の日ハムの優勝は新庄抜きでは決して語ることはできないだろう。
それくらい彼の残した足跡、影響力は大きい。
新庄自身、決して超一流プレイヤーとはいえない。
守備としては超一流と言えようが、打撃成績を見る限り歴代のスーパースターとは、
その生涯成績では比べ物にならないくらいに劣る。
では、彼はスーパースターではないのか?いや、史上類を見ないスターだ。
では、いったい彼のどこがこれほどまでにファンの心に焼きついたのだろうか?
彼の行動はまさに「宇宙人」と評されたことがあるくらい、異質なところがある。
時として、常人では考えられない、枠から外れた行動・言動をする。
阪神時代、大リーガーだった頃、そして北海道時代それぞれにマスコミを賑わした。
その彼の言動の底辺には何があったのか?
それは何よりも彼自身が「楽しむ。」
「楽しくなければやる意味がない。」といった原点があるからだ。
そう考えて思い起こしてみれば、彼の周りにはいつも笑顔があふれていた。
彼の言動にはいつもワクワク感が漂っていて、我々の想像から越えた、行動があった。
だからこそ、今度はどんなことで楽しませてくれるのかといった、期待感があり、
それにファンは魅了された。
私たちはどうだろうか?
自分の仕事を楽しんでいるだろうか?そこにワクワクする毎日があるだろうか?
世の中の働く人の80%は、働く理由を家族のため、生活のため、そして社会的義務と
考えてはいないだろうか?
もちろん自分のためでもあるし、働いていて楽しいと感じることもあるが、
「楽しくなければ仕事じゃない。」と言い切れる人は希少だと思う。
私の地元の知り合いのある社長は、いつも眉間にしわを寄せている。
たまに笑顔を作っている。それはお得意様の前。
それ以外はいつも眉間にしわがよっている。社員の前でも。一人のときでも。
あれではとても「楽しんでいる」様子にうかがえない。「苦しんでいる」ようだ。
多分、市場の厳しさや売上などが彼をそうしたのだろう。
だけとそれでは誰もついてこないし、自分自身が悲しいと思ってしまう。
楽しむ心が芽生えたときにきっと好転するし、周りがその雰囲気に巻き込まれ、
もっともっと業績が上がるはずだ。
はっきり言おう。当初、私は新庄が嫌いだった。認めたくもなかった。
どこが?というと、先程お話したように、彼の「宇宙人」の行動がどうしても理解できなかったからだ。
事実、彼の成績がとても一流と言えないのに、大リーグへ進もうとした時、
マスコミはこぞって彼を批判したものだった。阪神時代もそうだ。
ファッション、車、生き方いつも彼を批判する人々がいた。私もその一人だった。
しかし、彼は彼自身を変えなかった。新庄はどこまで行っても新庄だった。
ある意味、凄いことだと感じる。彼は彼を貫いたのだ。
今期の引退宣言も彼独特の生き方、考え方を貫いた結果だと思う。
自分を貫くこと。一貫性を保つことはそうたやすくできるものではない。
いろいろな人の批判を耳にすれば、それは誰しでも気に掛かる。
もちろん、人の意見を素直に受け入れることも大事なことだ。
しかし、根本というか、自分の信念だけは変えてはならない。
自分の信じたことはどこまでも貫かなくてはならない。
それこそ「生き様」だし、「魂」だろう。
新庄はそれを教えてくれた。
心からありがとうと言いたい。
そして、いつまでも彼は彼らしく生き抜いて欲しいと思う。